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[16] 【正しい競争を】

私どもが会社を経営していく時に、同業会社と非常な競争になります。競争はしなければならない。しかしそれは正しい形においてなされなければなりません。卑怯な競争はしてはならない、まして相手を倒すとか、相手に損害を加えるというような競争の仕方であってはならない、というのが、事業をはじめて以来一貫した私の指導精神です。競争会社があってこそわれわれの励みになるのだ、そういうように競争会社を発展的にみなければならないと考え、また社員の人にも言ってきました。
われわれは事業人であると同時に、やはり紳士でなければならない、正しい商売を遂行していかなければならないと思うのです。


[8] 【適正な給与】

誰しも給与は多いほうが良いと考えます。その考え方自体は決して悪いとは思いません。しかし、会社が仮に多くの給与を出したいと念願しても、会社の一存によって実現できるかというと必ずしもそうは行かないと思います。やはり、それだけの社会の公平な承認が得られて、はじめてそれが許され、恒久性を持つわけです。
給与が適正であるか否かは、会社にも従業員にも、その安定と繁栄にかかわる重要な問題であり、同時に社会の繁栄の基礎ともなるものです。お互いに十分な配慮のもとに、絶えざる創意と工夫を加えて、その適正化をはかっていかなければならないと考えます。


[3] 【大義名分】

古来名将と言われるような人は、合戦に当たって必ず「この戦いは決して私的な意欲のためにやるのではない。世のため人のため、こういう大きな目的でやるのだ」というような大義名分を明らかにしたといわれる。いかに大軍を擁しても、正義なき戦いは人々の支持を得られず、長きにわたる成果は得られないからであろう。
これは決して戦いの場合ではない。事業の経営しても、政治におけるもろもろの施策にしても、何をめざし、何のためにやるのかということを自らはっきり持って、それを人々に明らかにしていかなくてはならない。それが指導者としての大切な勤めだと思う。